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思いついたことを書き起こして考えを整理させてます。

アイカツオンパレードに対するお気持ち表明

アイカツシリーズの歴代キャラが大集合するというクロスオーバーTVシリーズ”アイカツオンパレード!”の放送が先日発表された。

アイカツシリーズというのは2012年にTV放送されたアニメ番組「アイカツ!」をはじめとしたアニメシリーズのことである。
アイカツとはアイドル活動のこと。アイカツを通して日々挑戦を続ける女の子たちを描くこの作品は”スポ根”などと評されるような異例のアイドルアニメだ。作中のアイドルたちは失敗や困難に出会い、それでもめげずに努力を重ね、辛くともへこたれない。まさにスポ根である、というのがメディアやSNSで見られるアイカツの表現である。
とにかく前向き。それがアイカツなのだ。

ただ、この表現は最も用いられやすいというだけであってアイカツの特徴は他にもある。
例えばアイドルたちのキャラの濃さがそれにあたるだろうし、楽曲のクオリティが高いというのもそうだろう。それに伴うライブ演出も魅力の一つ。数多くの魅力が女児だけの人気に留まらず、大人層のファン(アイカツおじさんなどと呼ばれる)を作ることになったのだろう。
これらがメディアで用いられにくいのは他のアイドルアニメ(特に同じく女児向けである「プリティシリーズ」)と被るところがあるためアイカツ固有の特徴としては弱いからであると予想する。

そんなアイカツシリーズは「アイカツ!」「アイカツスターズ!」「アイカツフレンズ!」と三作続いています。そんな作品のキャラを大集合にするというのだから凄まじい。公式で行われている人気投票”アイドル総選挙”にノミネートされているキャラ数は56名。この人数全てが出るとしたらとんでもない豪華さである。
新楽曲もあるとのこと。超豪華TVシリーズ「アイカツオンパレード」には今後も注目していきたい……。


というのが前振りである。

ハッキリ言うとそもそもオンパレードに期待などしていない。むしろ今回の発表に失望している。食欲が減退する程度にはショックを受けた。

なぜかというと、この過去作品を登場させるという手法がファンサービスなどではなく人気が出ないから過去の遺産に縋っているようにしか見えないからである。
8月現在放送中のフレンズは2年目3クール目半ばを放映している。そしてアイカツオンパレードの放送はいつからかと言うと、なんと10月から。順当に行くならばフレンズ4クール目が放送される時期である。
そりゃあフレンズを打ち切りにして過去作人気にあやかろうとしていると考えるのが自然だろう。

アイカツというのは常に前向きな作品だった。
「今ある思い出だけじゃないよね。思い出は未来の中にもいっぱいある」とかつてスター宮は言った。それがどうですか。今や公式が超後ろ向きで思い出に頼っている。アイカツ!スターズにて歌唱担当をしていた方々をフレンズ前に卒業させておいて、また呼ぶというのはどうなのだ。
未来向きの今はどこにいったんだ。憧れは次の憧れを生むんじゃなかったのか。

公式に裏切られた気分がして、辛いのだ。



以下はなぜ私がアイカツシリーズが好きにならなくなったのかという話である。上述の内容以上にめちゃくちゃアンチ意見を書く。
完全に自分で見返す用なので不快になるようなら読まないで欲しい。所詮対象年齢が違うモノを勝手に見て勝手にショックを受けている人間の言葉である。














現在のアイカツシリーズへの私のイメージは”スポ根”などではなく”凋落”だ。
私の中ではアイカツシリーズからはスポ根という要素は消えていて、今あるのはスポ根であるという幻影、もしくは薄っぺらい皮のイメージだけだ。

そう、今のアイカツは薄っぺらいのである。上に挙げた数々の要素は中身の伴わないものになった。

スポ根要素について話をする。
アイカツ!一年目の当初ではどこか古臭いBGMの中で目標に向かって妙ちきりんな特訓に励む、何度も困難にぶつかって思い悩んでは努力する、根性が過ぎて突飛な行動に出だすなどの描写は多々あった。

分かりやすいのは第6話「サインに夢中!」などであろう。
アイカツファンからすれば今更語るまでもないし、著作権等を考えてあまり内容を深く書きたくはないためあらすじは省略する。ただこの回は「挑戦し、問題に向かって努力し、そして失敗をし、正しい方向へと立ち直る」というアイカツがスポ根と言われる所以が詰まっている。謎過ぎる特訓も相まって…。

しかしこれがずっと続いたかと言うとそうではないだろう。
いや、実際シリーズ全てにおいてスポ根的なことはやってはいるのだ。なにせ毎日の特訓描写としてランニングや腹筋が描かれるアイドルアニメである。スポーツ特訓みたいなことを何度もする。ただ逆に言えば”しているだけ”である。

上述のサイン回はサインという明確な目標があった。奇抜な特訓でインパクトもあった。そしてその後の失敗とそこからの教えで強く記憶に残った。
しかしただランニングしているところを見せられても、エピソード性に欠けるのだ。そりゃあ毎日体力作りに励んでいるのは凄いと思う。ただそれだけでは地味だし、面白くない。
これでは「努力してますよ」という証明やアピールにしかなっていない気がするのだ。そりゃあ毎回走り込みしていれば努力しているのは誰でも認知するだろう。でも「努力している」以上の情報もない。だからなんだか薄っぺらいように思える。

こういう「これはこう!」とだけ言って、中身はスカスカといった具合の薄っぺらさが後のアイカツシリーズにはたくさんある。
ノルマのように口癖だけ言ってキャラを強調させるし、ライブ演出ではオーラの大きさだけで強さを表現をするし、「こういうことしたよね!」とだけ言って昔努力しましたという描写をすることもある。
薄いのだ。とにかく薄すぎる。

まぁライブでの強さ表現に関してはそれこそアイカツ!一年目も同じく薄かったりする。ただその後のライブCGの進化によって、圧巻の映像を見せて強さを表現するということも増えだした。
それがスターズからCG担当が外注からバンダイ内の製作チームになり、デカいオーラ出たら強いという陳腐な表現方法になったからよりガッカリしたのだ。

こうなるとどうなるかと言えば、単純に見ていてつまらなくなる。ノルマみたいにやることをやって、心に残る言葉もなく、ただ終わりに向かうストーリー。面白いはずがない。
シリーズが進んでいくにつれこの薄っぺらさは広がっていき、アイカツの魅力というのがだんだん折れていかれるように感じられた。そうなろうとも私がアイカツシリーズを見ていたのは時折見せる魅力に惹かれてのことだ。楽曲を筆頭にキャラやサブの単独話、ドレスやCG演出などがそうだ。

だが今や楽曲すらクオリティも下がって数も減り、話も普通につまらない。話が薄くなったことでキャラも薄くなった。フレンズは途中で視聴を辞めたが、今後見直すこともないだろう。そう思っていた中でのこのオンパレード発表である。

予算減少とか子供たちの単純な飽き、少子化などのような制作にはどうしよもない問題が原因だったりするのかもしれない。しかしそれでもやっぱり今のアイカツは面白くないし、かといって過去作をまた出すなんていうのは今までのアイカツ描写の否定のように感じられるのが私の心情だ。
やっぱり好きなものがこんなことになるというのは辛いのだ。

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